Ｔｒｅｎｄ-Ｂｌｕｅ

３月２１日、ＷＥＳＴＷＩＮのエスクード「Ｅ－３７６Ⅱ」がロールアウトしました。福岡のホームコースで地元の他チームと合流しながらテスト走行に持ち込まれ、その姿がお披露目されました。実は「リアにウイング」付けるの間に合わなかったとか、「まだＬＳＤ組んでいない」とか。この１ヶ月の立ち上げ期間、監督が足を怪我するなどの痛手もあったそうで、ロールアウトといってもまだまだ仕上げの手を入れなくてはならない。まあ試走はクルマよりもドライバーの後藤選手に、パジェロＥＶＯのハイパワー、ビッグトルクというわけには行かないエスクードの挙動に馴染んでもらえれば、今回は良いのではないかと踏んでおりました。

ところが蓋を開けてみると・・・

出走２２台中、ダントツの速さで、周囲の視線を釘付けにしたとか。えっ！　それほんとですか！

「なんですかねえあれは・・・後藤くんのセンスもあるんだけれど、クルマがもう弾丸のように立ち上がるは旋回するは。こんなの作るなんて反則だと言われましたけど、これがエスクードの走りなんだよと」

島監督も、唖然としたようです。それは無理もない。現役時代に監督が作ったエスクードはＯＨＣ８バルブの１．６。今回のはＤＯＨＣ１６バルブの２．０。素材からして違う。でも傍目には、あのＥ３７６とたいして変わらない寸法なのだから、速さの違いは目に見えて大きい。

「Ｖ６のエスクードも来ていたんですよ。その彼等とも２秒以上違う。はっきり言って出来すぎだよなあ。Ｊ２０Ａとショートの組み合わせは、確かに理想的です」

そりゃあ、短距離のタイムアタックと追いかけっこだったら、立ち上がりの鋭さは直４だし、フロントヘビーのＶ６でコーナリングするのには慣れが必要。逆に「３００ｋｍばかり先まで競争しますか？」と言われたら、Ｖ６勢の方が有利となりますが、ＪＸＣＤやＴＤＡの様なステージのために、勝ちに行けるクルマを選んでもらったのです。これで速くなかったら、ＴＡ５１Ｗを探そうと言い切ったこちらの立場がない。

このことは、パジェロＥＶＯで走っていた後藤選手自身が、両車の違いを一番体感しています。

「車体が適度に軽いからなんでしょうか。思った通りのトラクションが使えて、嬉しくなるほどコントローラブルです。正直、ここまで走るとは考えていませんでした」

現時点では、保安部品関係と排気系だけに手が入っており、７０００回転まで立ち上がるとのこと。しかし、素材がボディリフトされていた個体で、シフトレバーまわりがそれに合わせて改造されたまま。うーん、それは扱いにくかったろうに、その状態で韋駄天の走りをやってのけたとは。

とりあえず速報。彼等から詳細レポートが届いたら、続報で紹介します。