Trend-Blue

  ~懲りない傾向~

対極の白と黒 ~車体色その2~

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スズキの自動車においては定番中の定番色ともいえる、スペリアホワイトは、キャリイからエスクード(初代)まで、採用されなかった車種の方が探すのが難しいかもしれない基本色です。エスクードで言うと2代目からはパールホワイトへ移行し、この頃から塗装の品質にも向上がみられたという評価もありました。

その前段であるスペリアホワイトも決してくすんだりすることはなく、ベーシックな色であっても卸したて、洗いたてのシャツのようなまぶしい白でした。まさに「上質な」と冠するだけのことはあったわけで、逆に手入れを怠ると水垢に泣かされる色でもありました。

この対極を行く分野が、エスクードのカタログ色には、2代目まで存在しません。黒いカラーリングは、徹底して限定車や特別仕様に充てられていました。唯一、レジントップにはサターンブラックメタリックが用意されましたが、このモデル自体が短命です。いや、S仕様には在った・・・かもしれない。サターンブラックメタリックは、90年モデルのゴールドウインリミテッドから登場していたと思われます。それ以前のGリミテッドは、2度ともファンタジーブラック/ミディアムグレーメタリックの2トーンで、若干の差異があります。GリミテッドもⅢからはサターンブラックメタリックに統一されます(ひょっとするとこのゴールドウインまでがファンタジーブラックかもしれませんが)

それにしても、黒とサターンという記号は何処から導かれたのか。当時提携関係にあったGMに同名のブランドがありましたが、GMサターンのそれは、単純にアポロ計画に起用されていたサターンロケットから引用されただけのこと。そのアポロ計画のサターンロケット計画も、従前の計画名がジュピターロケットだったため、次世代ロケットは一つ遠い土星だよね、というノリで命名されています。サタン、とは明らかに綴りも異なり、悪魔との因縁もありません。

まさかの飛躍的な妄想ですが、命名者は土星のモノリスをイメージしていた? キューブリックさんの2001年宇宙の旅は、木星を舞台としていますが、クラーク卿の原作にあっては、宇宙船ディスカバリーは土星に向かって物語を展開していくのです。あっ、でもモノリスは漆黒であってもメタリックではないんだよな・・・

4 Responses

スペリアホワイトは藪漕ぎ傷も目立たない良い色でした。日焼けも少なかったと思います。
問題は書かれている通りで水垢。冬から春(花粉が終るまで)の間、不摂生すると灰色の筋だらけに・・・。

  • 艶や光沢だけが塗装の質ではない、とも言えた時代ですかねー。考えてみると、最も汚れっぽいはずの白が、軽トラにも使われる基本色というところは意外と言えば意外なのですが、これこそコスト論なのか・・・

  • サターンブラックは黒の中にラメが入っているような色なので、宇宙空間っぽいといわれれば、そんな気もします。

  • スペースだとかコスモだとかの直接表現をかわしたという見方になるんでしょうかね。
    まさかニ黒土星(じこくどせい)なんてところから持ってきているなんてことは・・・