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  ~懲りない傾向~

すれ違いの再会

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昔、東武東上線の志木駅(あそこって埼玉県志木市かと思ったら新座市なのね)からちょっと歩いた住宅街に、「詩季」という名前の喫茶店があって、数年ほど前に閉店したと聞きました。

この店には最初の一人暮らし時代、東上線の大山駅まで歩いて行って列車に乗って珈琲を飲みに行っていたことがあります。でも珈琲というよりは、その店の看板だったのか定番だったのかまではわからないのですが、ホットサンドを目当てにしていた部分も大きかった。特筆すべきホットサンドなのかというとそうでもなくて、ハンバーグサンドの具などは、あのマルシンのハンバーグそのものだったりしました。

それでもわざわざ電車に揺られて喫茶店に行くという変な趣向をかきたてるお店の一つではあったのです。その当時は住んでいるところに車を置いておけるような環境でも懐具合でもなかったしね。

その東京時代にしか通わなかった名前と同じ字面の喫茶店を、盛岡の駅前で発見することになろうとは、思いもよらぬことで、しかしその佇まいから見ても、小耳にはさんだ「詩季無くなっちゃったよ」というあの店が、岩手に越してきているはずはないなとも確信しながら、店のドアを開けたのでした。案の定、古びた調度品やカウンターのお店が、ここ数年で開店したのではないことを物語っていましたが、このお店の看板メニューがホットサンドであることには驚きました。すれ違ってしまったけれど、なんとなく再会したような、そんな気分で、ツナメルティーサンドとやらを注文したのが、ほんのひと月前のこと。もう一度出かけてみたい盛岡ですが、本日はかなりすれ違って山形から羽田へ向かいます。

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