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  ~懲りない傾向~

朝風の密使

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0ps-dscf0986先週後半はボブ・ディランとノーベル文学賞ニュースで、どこへ行っても「風に吹かれて」の楽曲か話題ばかりが耳目に入ってくる日々。ディランの楽曲というのはそれ以外に無いのか! と思うほどのリピートぶりでしたが、この曲をカバーし著名にしたピーター・ポール&マリーでさえ、僕にはどうにもならない時代的ずれがあって(双方同じ1963年リリース)、ボブ・ディランという名前を耳にするのは1972年の、ガロの楽曲。しかもですよ、この「学生街の喫茶店」にしたところで、たぶん歌詞よりも曲が先に耳を奪っていたような気がします。

cham-1大体においてその頃、学生街も喫茶店もまったく未知の世界の、でもラジオの深夜放送は聴きはじめていた程度の僕ですから、まず山上路夫さんがどのような意図でこの詞を綴ったかなどと理解できるはずがありません。何やら先日のニュースでは「時代を反映するばっちりの言葉(人物)」だったと、山上さん自身がインタビューに答えておりました。その時代を反映するボブ・ディランとはあまりにも世代が異なっていたことで、「風に吹かれて」のリアルタイムなメッセージを知ることもありませんでした。

side2アメリカの公民権運動や日本におけるベトナム戦争や日米安保条約を背景にした反戦運動の片鱗は、今でいうニコちゃんマーク(かな?)の原型であったと思われるマークと、LOVE&PIECEというキャッチフレーズの流行を見た覚えがありますが、その意味するところも知らずにシールを貼っていたら親父に「思想も持たない子供がそんなもので喜ぶな」と怒鳴りつけられた記憶くらい。もちろんなんで怒られているのかがわかっていません。そりゃそうです。だってその頃、僕の頭の中は「人造人間キカイダー」と「アイアンキング」ですから。

%e3%82%a2%e3%82%a4%e3%82%a2%e3%83%b3%e3%82%ad%e3%83%b3%e3%82%b0そんなこんなでボブ・ディランは完璧に守備範囲外。ガロだってきわどい。だから学生街の喫茶店で流れ去った「時」というのはどれくらいのものなのか、今尚イメージできません。が、静弦太郎はともかく、霧島五郎の方は設定年齢からみて63年を10代後半で過ごしていて、ディランの歌もリアルタイムで聞いていたのだろうなと、あさっての方向に思いをはせるのです。ああっ、ノーベル文学賞も反戦もガロもうっちゃってしまう、なんて不謹慎な原稿なんだ!

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