Trend-Blue

  ~懲りない傾向~

何となく混沌に近いグレー

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給油

まあくだらない話だと思うけどね

車の燃費基準達成の申告に対する苦肉の策や俗に云う不適切な対処などというものは、大なり小なり何処でもやっていることだろうけれど、そもそもテストコースや風洞実験で、つまり整った環境で出された数字なんか、はなから一般ユースで通じるわけがないと思っているので、車の話題で燃費を語り合うことが一番つまらないし、あほらしく感じてきました。

そこへきての、スズキによる国土交通省への報告書提出と、首脳陣の会見(リンク先文中にlURLあり)。測定方法が法律に定められた手法にのっとっていなかったという、おっとスズキもですかの釈明が行われました。

要は、国の定めた測定方法に準拠したくても「相良テストコースの立地環境は風の影響を受けやすく抵抗値が大きくなったりばらついたりする」「走行抵抗を発生させる各部ごとの測定設備を個別にやってきた」「そのため各部の数値が統一条件だったと言いきれない」(この解釈は僕によるもの)「安定したデータを得るため、風洞実験場での測定に頼った」というところが、屋外で試験しろよと定めた国の指示に従っていないということでした。

閑話休題。いやいや、情けないぞ相良の話。やりようによっては過酷な条件下で性能試験できていた。という論理も活かせただろうに(それ以前に防風対策できてない投資の在りようがとほほですが)

さて報告書と会見によれば、おおむね2010年以降に販売されている、日産からのOEMを除く16車種(スズキからのOEM出荷をあわせると27車種になる)約210万台が対象。この頃から世界的に燃費基準や環境基準がハードルを上げており、スズキも順次測定機器を更新していた。ただし4月20日以降の国の指示による再調査の結果、あらためて測定検証した数値はカタログ燃費に対して5%未満の誤差に収まっていて、「販売した車両には燃費上の問題はない」「前述の不適切な測定は設備投資の至らなさの中で苦心したものではあるが、意図して燃費データを吊り上げるような痕跡はなかった」と主張しています。

鈴木修会長は「定められた通りの測定方法を用いていなかったことへのお詫びを申し上げる」「テストコースに防風柵を設置し、測定設備環境と方法も充実・準拠させるなど設備投資を行う。これが最優先すべき改善対策」「実際のカタログ燃費とのかい離は無い。対象各車種の販売は続ける」「経営責任を鑑みた進退に関しては現時点ではコメントを差し控える」などの説明を行いました。

あとは世論に委ねるだけのことです。

ただね、僕が常々感じていることは、燃費の話が馬鹿らしいとは言ってはいても、そこにどう対面するかのアクションは無駄ではないということです。「スズキなんて信じらんねー」と罵倒するよりも、「そんなしょーもない燃費なら、リッター1キロでも上回ってやるぜ」という遊びに転じた方がよほど建設的で面白いじゃありませんか。

幸いにも、エスクードがただでさえ燃費で目の仇にされている境遇を憂えたユーザーが多く、実燃費をカタログ値よりも高く走らせる人々がいることが誇りです。つくばーどサイトでも以前、Fレイドというゲームをやっていますが、ここに参加していないユーザーの中にも、直4の2000cc4AT車で航続距離900キロに迫る運転のできる人がいます。

メーカーの不適切は是正を切望しますが、どのみち我々の声などとどかないなら、こっちはこっちで自分の所有車の持つ性能を引き出すまでです。

12 Responses

結局は実走行にそぐわない方法での測定は、どんなやり方でも机上の空論に違いなく。三菱、スズキが悪いわけじゃなく、抜け道を見付け易い規格に問題があるんでしょうね。
JARIのコースに実走行コースを造って、燃費認証の際、各社(車)満タン法で測定すれば良いだけの話なんですけどね。
そうすれば、JC08に対しての乖離も小さくなるのではないかと。

  • そう思います。
    JC08の取り方にだってざるな部分があり、だけどそのおかげで助けられる部分があった。

    自動車研はあそこはあそこでいくらか問題あるんだけど、きちんとした体制でやらせれば公平性を活かす手立てにはなるでしょうから。

  • 先日そちらにお伺いしたときに三菱のニュースを見ながら話していたことが現実のものとなりましたね。
    スズキのニュースを見たときに思わず苦笑してしまいました。お、4代目もあるじゃんって(笑)
    まぁ、燃費ありきでエスクードを購入したわけではないのでスルーしますが、逆に燃費ありきで購入している(特に軽自動車)オーナーも多いと思いますので、スズキの会社として今後の動向が気になります。
    まさかの展開によってはどっかの傘下になるってことがあるのかなぁ。

  • ニーズの話を意地悪くすると、
    「世界最悪なデザインのクルマが君の前に登場した。しかし掛け値なしで過去どんな車も達成できなかったとてつもない燃費を実現した。さて君は選択しなくてはならない。それでも君は、経済性優先してこの誰が見ても醜悪な車を購入するか」
    ま、売れ行きはダメダメでしょう。
    燃費至上主義の顧客というのは、なかなかつらいものがありますよ。だから好みのカタチに免罪符を求めないとクルマ選びはあまりにも潤いが無い。
    これをスーパードライに解釈すれば、燃費至上主義ってほんとにあるの? なのです。
    ただし!
    この話のデザインと燃費を入れ替えたら、逆もまた然りなんですけどね(でもリッター3キロのスーパーカー買う人はいますのよね)

  • こんにちは。

    うちの車は、稼働状況に恵まれているおかげか、とりあえずカタログ燃費よりはいい値を出してくれています。
    とかく震災後、燃費燃費と言われていますが、実燃費と乖離した今の測定方法はどのみち問題なのでしょうね。

    外車なんかだと、カタログ数値より実燃費がいい場合が多いので、いっそそっち方向で統一して欲しいものです。

  • 国は詳細な報告書の再提出を命じましたが、それは状況証拠のようなもので、決定的な白黒の付け方(商品の品質保証に関して)は、車を丸ごと、十六車種「持ってこさせる」のではなく、「抜き取りで召し上げ」国ないし第三者機関で試験させることが大事でしょうね。
    それとてドライバーの腕前ひとつでどうにでもなっちゃう以上グレーゾーンのままかもしれない。
    でも試験基準を掲げる側も、今回は三菱車とスズキ車にはそれをやるべきなのではないかと思います。
    それにしても会見にて出た「軽量化は風の抵抗を受けやすい」発言は、なかなか見過ごせない情報開示(メーカー側が発言したというところが)だったと思います。

  • 燃費至上主義、ハイブリッド万歳、エコカーに乗っていなければ もはや人にあらず!
    おかげで代車生活を余儀なくされているわけですが、それでも勤め先では“戦犯”扱い。
    確かに地球には優しくないかもしれないけど、
    古いクルマを大切に長く乗り続けることだって立派な“エコ”だい! エゴじゃないよ ‼

    しかし今どきの小型車って、ほんとガス喰わないんですね。 ビックリ(笑)。

  • 燃費が良いことに越したことはないわけですが、じゃあ二酸化炭素の削減のために電気を多用する時代にシフトして、とりあえず国内の自動車が全てEV化していったら、そのエネルギー需要をどう賄うのか。
    結局は原子力発電に頼らなくてはならないし、そこを阻止して踏ん張ったとしても火力発電で再び酸素消費量が増えるという悪循環から逃れられない。
    自動車産業は「新車を売り続ける」だけの商売から、何%かでもいいから「修理して使い続ける」方法論を導くべきなんじゃないかと感じてます。

  • もう書かれちゃったんで今更ですけど
    「机上の空論」よりも「実地でなんぼ」を重視したいものです
    それを踏まえないでやれJC08がどうのとだけほざく様な輩は要らない

  • まあ言う人は言う人で「満タン法」のどこが正確か、という向きもあるのだけれど、一般ユースの目安でならあれで良いではないかと思うし、先日乗った4代目や時々借り受ける3代目の瞬間燃費表示なんて笑うしかない(あれこそあらゆる抵抗値から解放された数字なんだね)ですなあ。

  • V6-2Lノマドも過去に「燃費悪い!」と叩かれてたみたいですが、1.3トンの車重で街乗り2桁行きますし、遠乗りだと12~13㎞/ℓは大体走ります。エコカーも「バッテリーのリサイクル」「水没時の危険性」「事故の2次被害」など問題多々抱えているのに、「エコカー減税で優遇」。その財源に13年経過した車から搾取。正確な名称は、「依怙贔屓・減税」ですね…

  • H20Aエンジンは、25Aと比べるとトルクの細さが顕著で、ショートボディでも4ATでは回していかないとトルクバンドに乗せられませんでした。よってノマドだと回すから燃費も出ないという使われ方が多かったようです。
    しかしFレイドの優勝経験者のひとりは、この4ATのV6ノマドで走っていますから、やればできる子ではあったですね。