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  ~懲りない傾向~

百物語の序 和邇さんの手記020

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数年前のことです。
私が夜警さんと二人で宿直していた夜。午前2時くらいでした。

『誰か帰ってきましたよ』
夜警さんが防犯カメラのモニターを見て言いました。
『早いね、誰?』
と私が聞くと
『誰ですかね?』
と夜警さん。モニターの画面が粗いのはありますが、わからないことはなかろうと私もモニターを覗くと、服装からウチの社員ではない男性が二階の事務所の方を見上げています。
ところが、私が窓から下を見ると誰も立っていません。
『いなくなったよ』
と夜警さんに告げると、
『え?まだ映ってますよ』

あ゛?

もう一度下を見ましたが、やはり誰も立っていません。

『いないってば!』
『いますって!』

モニターのところに戻ってみると、

いる。立ってる。こっちを見上げている。
ヤバいヤバいヤバいヤバい!ヤバい奴だ、これヤバい奴だ!
もう二人してパニック状態。二人でモニターと窓の間を何十回往復したでしょう。
下には誰もいないのに、モニターにはしっかり映っているのです。
ビビりな我々は階下に降りて確認する勇気も根性もなく、只々モニターの前で凍りついていました。

 

 

どれくらいの時間、震えていたでしょう。
そのうち、私はあることに気がつきました。

 

・・・つづく(「直虎」の春風亭昇太風)

 

・・・おいっ

 

 

 

 

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